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店主が日本中を旅して目利きしたご当地のうまいものが並ぶお店です。店内に並ぶのは、昔ながらの製法で作られる無添加調味料や、その土地ならではの美味逸品、子供にも安心して食べさせられるおいしいお菓子などなど。ぜひ宝探しする気持ちでいらしてくださいね。
2017-09-05

おだしが上手くとれないのは・・

暑い大阪でも、朝晩は肌寒いくらい気温が下がるようになりました。
今年は、秋の訪れがいつもより早いような気がします。

気温が下がってくると恋しくなるのが温かいお味噌汁。
夏場は作ったり作らなかったりだった我が家でも、8月の末頃からは毎日食卓にお味噌汁が並びます。
あぁ、ねぎと油揚げのお味噌汁のおいしいことおいしいこと。

お味噌汁といえば、お店に立っているとよくこんな声をお聞きします。
「昆布でおいしいだしがとれないんだよね~。」
「鰹節でだしをとる時、入れても入れても物足りなくて、分量がわからない。」

こういう疑問、数年前の私も同じ疑問を抱いていたのでめっちゃよくわかるんです。
それはだしの取り方が悪いんではなくて、ほとんどの場合、味覚の問題なのです。

というのも、こういう話になった時に「普段はどんなおだし使われてるんですか?」とお聞きすると
たいていの場合「普通の顆粒タイプの。(ほ〇だし的なの)」とか
「味付けのいらないだしパック(茅乃〇的な)」とか
「だしはとらずに、だし醤油を使ってます。(鎌〇醤油的な)」とおっしゃる。

やっぱりね。ビンゴ!

天然だしがうまくとれない理由は、とり方が悪いのではなく軽い味覚障害なのです。
もっとわかりやすく言うと、たぶん、そのとり方で十分おいしいおだしが取れているはずなのですが、
味見をする人がそのおいしさを感じられないことが原因だと思われます。

顆粒タイプのだし、味付けのいらないだしパック、だし醤油、これらに共通して入っているのが
〇〇エキスというもの。
カツオエキスとか、酵母エキスとか、種類はいろいろありますが、添加物ではありません。
だしの旨味を強調するために入っているものですが、こういう強い旨味に普段から慣れていると、
天然だしの繊細な(≒弱い)旨味を感じにくくなります。
これは普段から塩っ気の強い食事に慣れている人が、減塩食をおいしく感じないのと同じです。

顆粒タイプのだし類は便利なんだけど、普通には出せない強い旨味を出せてしまうので
こういうことになってしまいます。
このような軽い味覚障害を私は勝手に「うまうま病」と呼んでいます。

何を隠そう私も会社勤めしていた頃は完全な「うまうま病」でした。
毎日、カツオエキスやアミノ酸をたくさん使って職場で新商品の開発をしていたので。

どうやって「うまうま病」から脱出したかというと、
①職場が変わった、②家の料理でエキスや化学調味料を含む調味料を使わない、の2点です。

約3年、エキス類の強い旨味に慣れていたため、相当鈍感になっていた私の味覚、
戻すのに2ヶ月くらいかかりました。
最初は自分で作る料理の味が物足りなく感じて、よっぽど、ほ〇だしを買ってやろうかと思いましたが、
幸いにして主人が、普段の料理にエキスや化学調味料を入れるのを嫌っていたため思いとどまりました(笑)

一度「うまうま病」から脱してしまうと、天然のおだしのおいしさがわかるようになり
素材のもつ淡いおいしさがわかるようになります。
特に、野菜が今までよりもずっとおいしく感じられます。これはうれしい。
また、調味料や料理に入っているエキスやアミノ酸の味もよくわかるようになるからいろいろとオモシロイです。

そういう訳で、だしのとり方で頭を悩ませている人がいたら、
普段使っているだしの原材料を確認してみてください。
だしパックにしろ顆粒タイプにしろ、エキス類が入っていたら、もうやめてしまう方がいいです。
やめてしばらく天然だし生活を続けていればきっと、本来の敏感な味覚を取り戻すはずです。

そんなわけで、きしな屋で扱っているだしパックやだし醤油には、エキスやアミノ酸が入っていないのです、
と最後に商品のご紹介をしておきます(笑)

店長キョウコ

だし名人

旅するバイヤーの万能だし醤油

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