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店主が日本中を旅して目利きしたご当地のうまいものが並ぶお店です。店内に並ぶのは、昔ながらの製法で作られる無添加調味料や、その土地ならではの美味逸品、子供にも安心して食べさせられるおいしいお菓子などなど。ぜひ宝探しする気持ちでいらしてくださいね。
2021-01-12

【ブログ】作る側だってほんとは入れたくないんよ食品添加物

1/12 きしな屋枚方店 大阪せんば店 営業しています。
雪ふりましたね!めったに積もらない枚方でも少し積もりましたよ。

ご無沙汰しております。店長キョウコです。

 

【作る側だってほんとは入れたくないんだよ、添加物】

この仕事を始める前、
食品メーカーで新商品の企画や品質管理をしていた時期がありました。

自分の手でイチから商品を作りだす、やりがいのある楽しい仕事です。
でも、ある程度の規模のメーカーで新商品開発をするとなると、
必ずついてまわるのが「販売価格」と「原価」のはなし。

いくら良いものを作っても、消費者が許容できる価格設定でないと売れません。

また、ちゃんと利益がでるように設計しないと会社がたちゆかなくなります。

めっちゃ大事なことです。

良いものをつくりたいという理想と、かかるコストの間でしばしば板挟みになります。

毎日、脳内ではこんな一人会議。

この商品の大きさだと、販売価格は398円が限界だな。
それ以上高くなると、棚に並べてもらえない。
となると原価はこのくらいだから………80円もオーバーしてる。

さて、どうするよ。

原価の高い肉を入れる量を減らす?
原料のランクをひとつ落として、冷凍の中国産の野菜を使う?
で、いろいろ原料を調整して、試作して見るんですが、たいてい最初ほど美味しくできない。

やっぱり元の素材じゃないと、美味しくできないよ!

納期は、一週間後。

今から、イチからやりなおしても時間がたりない。
かと言って、今の原価では商品化が通らない。
原価があうように作ればあまり美味しくない。
と八方ふさがりです。

そんな時、食品添加物メーカーさんが営業に来てくれてこう言うわけです。

「この新しい食品添加物製剤を使えば、お肉をたくさん使わなくてもお肉のコクとジューシーさがだせますよ。

しかも、見た目に照りもでて美味しそうに見えます。」

そう言ってサンプルをくれるのです。

切羽詰まっているので、わらにもすがる思いで、その新しい添加物製剤を試しに使ってみると、予想以上に反応がいいわけです。

原価もあうしこの味なら売れるだろう、と商品化が決まります。

こんなことを何回か経験するうちに何か釈然とした想いがふつふつと湧き上がるわけです。

添加物入れなくたって、普通の野菜と普通の肉と普通の醤油を使えばこの商品もつとおいしくできますよ?

この商品に398円じゃなくって、550円の売価をつけれればそれができるんだよ?

普通の材料でまじめに作ったものが、正当な価格で評価される世の中にならないかなぁ………

食品添加物が何がなんでもダメとは思いませんが、 極力使わないで、普通の材料でちゃんと作った商品を応援する店でありたいと思うのはそういう経験からです。

安くで作ろうとするのも限界があり、それを補うために食品添加物に頼るという構図は、企業だけでなくそれを選ぶ消費者の側にも責任の一端があります。

普通に作られた食品が正当に評価されるために、そういう食品の価値を伝え続けるのが私のような小売業の役割かな。 みなさんはどう思いますか? 

店長キョウコ

 

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